第2回

 

自立生活とは

 

川島さんと、川島さんの話を聞く金城さん

川島 「ここで、自立生活の話に戻しましょうか。

自立生活は『日常の中で選択をする』こと、それを繰り返して『自分らしい過ごし方』を目指すこと、だという話をしましたよね。生活するうえで決めること、例えばどこに住みたいか、だれと住みたいかということがあると思います。」

 

金城 「実家で親と暮らすか、一人で暮らすかとかですね。」

 

川島 「恋人と暮らすっていう選択肢も取っていいと思います。とにかく、どんな生活をしたいか『自分で決める』。

それを繰り返していくうちに、『自分らしい過ごし方』がわかるようになってきます。

『自分らしい過ごし方』が決まったとして、では、実際にどうやって自立生活をしていくのかという話をしたいと思います。

 

金城 「たしか・・・、自立生活はいろんなものに頼っていいんでしたよね。」

 

 

川島 「そうです。頼るもの、例えば福祉制度やサービス、福祉機器を使うことが考えられます。この場合、「頼る」を「活用する」と考えると分かりやすいかもしれないです。」

 

金城 「活用するだと考えやすいですね。住宅改修とかスロープをつけることも入りますね。」

 

川島 「道具以外で、サービスについていうと、放課後等デイサービスや通所、施設、作業所などがあります。さらに人に「頼る」「活用する」と、もっといろんなことができるようになると思います。」

 

金城 「道具は使い道が決まっていますが、人は自由に動けますもんね」

 

川島 「まさにその通りです。では、頼れる人ってどういう人が思い浮かびますか?」

 

金城 「親とか友達とか、近所の人とか・・・。あとは、施設にいたり、おうちに来てくれるヘルパーですか?」

 

川島 「今あげてもらったもの、いたら頼もしい存在ですね。ですが、家族で全部面倒を看なくてはいけないと思うと、家族も本人も辛くなる時が来ますよね。友達や周囲の人のボランタリーな部分に頼り切っても、どうしても人が必要な時に、いてくれるとは限らないという状況があるかもしれません。」

 

金城 「いてくれると心強いですけど、身近な人たちだけでサポートするとなると、辛くなってしまうかもしれないんですね。」

 

川島 「その点、ヘルパーは制度なので、安定的に活用することができます。家族の負担を軽減することができます。

ただ、ヘルパーって聞いてもあまりピンときませんよね?」

 

金城 「放課後等デイサービスとか作業所だとピンとくるけれど、ヘルパーって言われてもあまりわからないです。」

 

川島 「ヘルパーと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、施設にいる人たちのことだと思います。特に高齢者施設ですかね?」

 

金城 「ヘルパー・介護士募集!っていう求人よく見ますけど、だいたい高齢者施設ですね。」

 

川島 「でも、ヘルパーって高齢者施設だけじゃないんですよ。実際にお家に来て、家事や食事、買い物などの手伝いをしてくれるんです。ほかにも、生活で必要なことは何でもやってくれます。」

 

金城 「ヘルパーって、お家にも来てくれる存在だったんですね。そう考えると、ほかのサービスより使い勝手がよさそうに見えます。」

 

川島 「どのサービスがいい悪いということは言いませんが、一つの頼り先、活用先としてヘルパーがあるということを知ってほしいと思っています。

『自分らしい過ごし方』をしたい!と思ったとき、選択肢が多いほうが安心できますよね。

どんな障害があっても、どんな状況にあっても、『自分らしい過ごし方』をするのはその人の権利だと思います。そして、そういった生活を私たちは支えていきたいのです。」 

 

 

 

第3回へつづく