水の色を変えてみよう 障害があってもできる科学実験教室を開催しました。

2023/12/2

障害があると、「危ない」「時間がかかる」などの理由で、理科の実験を自分の手でやってみる機会は少ないと思います。今回は、液体を混ぜ合わせることで色を変える実験を、どんな障害があっても自分でできるように方法を工夫し、ゆっくりチャレンジしようと思います。科学って、こんなにおもしろいんです。

 

-実験の内容- 

ハーブティーでカラフル実験

青いハーブティー「バタフライピー」にレモンや酢を入れると色が変わる?!入れるものの性質によって違う色になります。他のものもいろいろ入れてみて、どんな色に変わるか調べてみましょう!目で見てたのしい実験です!

 

●講師

ゆーみるしー(青木優美さん) サイエンスコミュニケーター

日常に科学の種を見つけるのが好き。素粒子実験を専攻し2022年に高エネルギー加速器研究機構(KEK)で博士(理学)を取得。大学院在学中から実験教室やサイエンスカフェの講師を務め、参加した科学イベントは70回以上。大学院で学んだ「謎を見つけて追求する楽しさ」をお裾分したいと思い活動中。 

 


インクルーシブ教育講演会を開催しました。

2023/7/14

7月14日(金)、ほにゃらキッズ主催で表題の講演会を開催し、40名超の方に参加していただきました。

まず佐賀さんに、自閉症のお子さんを市内の小中学校に通わせた経験をお話していただきました。「地域の中で支えてもらいながら生きられるようにしたい」という強い思いから普通学校を選択したこと、先生からは会うたびに「こんなにタイヘンでした」というネガティブな報告ばかり聞かされるため、常に闘いの連続だったこと、そんな中でも周囲の友達の輪が支えになったこと、などをお話していただきました。

続いて当事者である川端舞さんに、小中〜高校に通った体験をお話ししていただきました。支援員のサポートは必要であるものの、関わり方次第では、かえって先生や友達を遠ざけ関係作りを阻害してしまうことになることが指摘されました。高校では自分と友達や先生が直接話せる関係を築くことができ、そのお陰で一生の友達ができたそうです。

そして一木先生から、インクルーシブ教育に関する国連の考え方と国内の現状や課題についてご説明がありました。佐賀さんや川端さんの体験を障害者権利条約に照らしたとき、どのような差別に該当するのか解説していただきました。障害があっても普通学校に通うことが権利であることを強調されました。

 

休憩を挟み、参加者同士がグループに分かれて感想共有を行いました。僕が参加したグループではインクルーシブ教育を学ぶ学生が参加していて、今回のような体験談を聞けるのは貴重だと喜んでいました。

 

最後に参加者から講師への質疑応答を行いました。佐賀さんが孤軍奮闘するパワーに感銘したという感想に対し、「親には1人で抱え込んで苦しんで欲しくない」「困ったときは周りに助けを求めて欲しい」という返答がありました。そしてほにゃらから「団体としてサポートします!」という力強いメッセージがあり、閉会となりました。

 

 今回の企画では印象に残る言葉がいくつもあったのですが、一木先生が冒頭に「普通学校に通うことの『大切さ』をタイトルに掲げなければいけない現状を、悲しく思う」とおっしゃったのが特に印象に残りました。個別の事例はあるのにそれが次世代へと継承されず、なかったことにされてしまう現状はとても残念です。

ほにゃらキッズでは、これからも同様の企画を行い、継続的に発信していくつもりです。

ご協力よろしくお願いします。

 

 

 

講師プロフィール

佐賀有美(さがなおみ)
つくば特別支援 親の会 所属

つくば市在住。重度の知的障害を持つ自閉症の息子を持つ。息子は現在21歳。

「社会の中で生きていくために、まずは小さな社会である地域の学校へ。」との思いから普通幼稚園、小学校に通わせた。
息子の学校への付き添いの悩みから、同じ発達に悩みを抱える保護者の方の為の「つくば特別支援 親の会」を立ち上げ、活動している。

川端 舞(かわばた まい)

つくば自立生活センターほにゃら

群馬県出身、つくば市在住。脳性麻痺による運動障害と言語障害があるが、小中学校は介助員をつけて、高校は友人に手伝ってもらいながら、群馬の普通学校・普通学級に通う。小中学校は辛いこともあったが、高校の同級生とは今でも付き合いがあり、自分はちゃんと群馬に帰る場所があるんだと思え、自信になっている。

一木玲子(いちきれいこ)

東洋大学人間科学総合研究所客員研究員。専門は障害のある子どもと障害のない子どものインクルーシブ教育制度。日本とイタリアを主なフィールドにして、学校調査を基盤に制度研究を行っている。2022年夏の国連障害者権利条約第一回日本審査に際してはNGO団体としてパラレルレポートを提出してロビー活動等に従事した。東京在住
近年の著作
・「なぜ、国連は特別支援教育中止を勧告したか」(『季刊福祉労働173号』、現代書館、2022年)
・「国連障害者権利条約一般的意見4号におけるインクルーシブ教育の定義」『教育学論集第64集』中央大学教育学研究会(2022)
・「障害者権利条約第24条一般的意見4号「わかりやすい版(Plain Vergion)を翻訳!」『福祉労働171号』現代書館(2021)

ものづくりワークショップを開催しました。

2023/5/6

ゴールデンウィーク中の5月6日、ほにゃらキッズで「ものづくりワークショップ オリジナルメダルを作ろう」を開催しました。美術が得意な男性スタップの前川さんに教えてもらいながら、粘土で好きな形を作ったあと、その上から石膏を流し、それぞれが作った形を写し取ったメダルを作りました。

障害のあるお子さんとご家族が参加してくださり、粘土に好きな模様を描いたり、好きな飾りを載せたりしました。ほにゃらの当事者スタッフも、それぞれ思い思いに好きな形をワイワイ言いながら、作りました。好きな色の石膏を流し込んだあとは、石膏が固まるまでの間、みんなでお菓子を食べながら、自由におしゃべりをしました。参加してくれた子どもたちの方から、当事者スタッフに話しかけてくれた場面もありました。自分の好きなものを一緒に作る時間を共有できたからこそ、普段は話しにくいことでもお互いに本音で話せたのかなと思います。同じことを同じ空間ですることで、直接話さなくても、仲良くなれるきっかけになるんですね。

前川さんのわかりやすい説明のおかげで、みんな楽しく、自分だけのオリジナルメダルを作ることができました。粘土に石膏を流して型をとるため、メダルの模様は作った形とは左右反対になるというのは難しかったかもしれませんが、作った粘土の方も持って帰ってもらうことができたので、臨機応変に対応できてよかったと思います。また、誰でも楽しめるワークショップが開催できたらいいなと思いました。(川端)

 

「親も子も“自分らしい”生活をするために 〜障害児を育てた先輩の体験談を聞こう〜」を開催しました。

2023/4/2

4/2(日)にほにゃらキッズ主催イベント「親も子も“自分らしい”生活をするために 〜障害児を育てた先輩の体験談を聞こう〜」を開催し、4組の障がいのあるお子さんのご家族に参加して頂きました。

当日お話しして頂いた木村さん、鶴岡さんのお子さんは、小学生の頃からほにゃらキッズに関わり、高校卒業後、自立生活を始め、今では充実した日々を送っています。そんな木村さん、鶴岡さんのお二人には、これまでの体験談として「就学期のこと」「ほにゃらとの出会い」「お金のこと」「親の子離れ」の4つのキーワードに沿ってお話して頂きました。

 

「就学期のこと」については、普通学校と特別支援学校のどちらに進むか選ばなければならなかった事の辛さ、どちらを選んでも周囲の方々によって、良いことも辛いこともある事、卒業後の進路についてなど、子ども・家族・学校のそれぞれの立場や想いが交錯する中で、時には対立しつつも、決断していったことなど、率直な思いをたくさん話して頂きました。

 

「ほにゃらとの出会い」については、知人に紹介されたこと、介助者と過ごす時間が心配で仕方なかった事、介助者との時間を過ごす事で子どもの成長を感じたことなど。特に、子どもの自立後は、親の介護やご自身の体調不良などが重なり、子供が自立していて案して対応できた、という内容のお話もありました。

 

限られた時間の中で、多くの経験談を話して頂き、親の本音や不安など、どの内容もとても重みがありました。ほにゃら当事者がいる中で話しにくい内容もあったと思います。貴重なお話をありがとうございました。