2022年 活動内容
インクルーシブ教育座談会を開催しました。
2022/9/25
9月25日にほにゃらキッズで、「障害があると違う学校に行かなきゃダメなの?先輩の経験談から考えるインクルーシブ教育座談会」を開催し、普通学校に通う障害児の親御さんなど4人の方にご参加いただきました。
まず、実際につくば市の普通学級に車いすで通い、現在は大学に通っている方のお母様をお招きし、介助が必要な障害児が普通学級で育つうえで、どんな課題に直面し、どのように解決していったのかをお話していただきました。日常的な学校生活では支援員がつき、保護者の付き添いが必要なくなっても、校外学習のたびに介助をどうするか考えなければならないなど、大変な面もある一方で、運動会にどうやって参加するかを学校側で考えて、他の同級生と一緒に参加できたエピソードなど、普通の生徒の一人として学校生活を送れていた部分もあることが分かりました。
次に、私自身が小学校から高校まで、普通学級に通った経験を話させていただきました。「インクルーシブ教育は良いものだ」と言われることが多いけれど、実際はどんな学校に行っても、良いことも嫌なこともあります。それは障害のない子も同じで、良いことも悪いことも、障害のある子とない子が一緒に経験しながら成長していくのが権利だと思います。なので、私は普通学校で、良いことも悪いことも経験したけれど、すべてを障害のない同級生と一緒に経験し、大人になった今でも付き合える友人が地元にいるから、「自分には帰る場所がある」と思えて、それが自信になっているというお話をさせていただきました。もちろん現在は、公立学校が合理的配慮を提供するのは法律的に義務なので、学校側が必要な合理的配慮を提供しないために、障害児が苦しんでいたら、きちんと学校側に改善を求めていく必要がありますが。
後半のフリートークの時間では、参加者の方が今、お子さんの学校生活の中で困っていることなどを共有していただきました。その中で、過去にも障害児が普通学校に通った事例があるのにもかかわらず、就学時に「前例がない」と言われてしまうなど、事例が積み重なっていないことが分かりました。
「親も子も『普通学校に通ってよかった』と思えるには、何が必要なのか」が、1つのテーマでしたが、私個人は別に「普通学校に通ってよかった」と思えなくてもいいのではと思っています。私自身、今でこそ「普通学校でよかった」と思っていますが、高校卒業時はそんなこと全く思えず、「普通学校でよかった」と思えない自分はダメなんだと思っていました。でも、よく考えれば、障害のない子でも「この学校に通ってよかった」と思わない子も多いと思います。障害児だから「この学校でよかった」と思わなくてはならないことはないと思います。しかし、普通学校で障害児も他の生徒と同じように学生活を送れるように、必要な合理的配慮を提供するのは学校の責任です。その上で、「この学校に通ってよかった」と思うかどうかは障害児本人の自由だと思います。日によって反対のことを思ってもいいし、私のように、卒業直後はそう思えなくても、卒業から10年たって振り返った時に、「やっぱりあの学校でよかった」と思ってもいいのです。でも、そう思えるのは、たとえ嫌なことがあっても、諦めずに普通学校に通ってこそだと思います。そして何かうまくいかないことがあった時は、ほにゃらにも気軽に相談してもらえると嬉しいです。
川端舞
撮影:柴田大輔
Q‘tに行ってご飯を食べようを開催しました。
2022/8/11
計画の段階ではつくばセンターのQ‘tでご飯を食べる予定でしたが、感染状況も考慮して事務所で行うことになりました。当日は一家族の参加があり、子ども一人に対して介助者と当事者が一人ずつ付いて、子どもと行動しながら、何を食べるか一緒に考えました。近くのお店に買いに行く案もありましたが、最後には事務所のキッチンで介助者と一緒に素麺を茹でることになりました。来てくれた子は、大人に囲まれて緊張していたかと思いますが、自分で作ったお昼ごはんを食べることができて良かったかなと思います。今後もイベントなどで、介助者と一緒に何かをやってみる機会を作っていけると良いなと思いました。
前川湧
キッズOBと話そう!を開催しました。
2022/5/5
今年から本格的に再始動した「ほにゃらキッズ」の第2弾イベント「キッズОBと話そう!」を5月5日に開催しました。ゴールデンウイークの中、障害のある子どもがいる3家族がご参加くださいました。
イベントの前半は、子どもの頃からほにゃらキッズに関わり、現在は自立生活をしている木村咲太さんと鶴岡伸也さんに、自分の経験を話してもらいました。子どもの頃に介助者と一緒に、失敗も含めた色んな経験をしたことや、その経験の積み重ねが大人になってからの自立生活に繋がり、現在、2人とも自分らしい生活を送れていることが伝えられたと思います。木村さんも鶴岡さんも、介助者である前川湧さんとの会話形式で、自分の経験を話してくれたので、当事者と介助者が一緒に模索しながら、その当事者にとっての自分らしい生活を見つけていくイメージを、参加者の方にも少し感じてもらえたかなと思います。保護者の方の感想でも、「2人が自分の生活を楽しんでいる姿が印象的だった」という意見が多く聞かれました。実際に障害当事者が楽しんで生活している様子を見てもらうことで、自立生活に興味を持ってもらうきっかけになるんだなと感じました。
後半は子どもたちと保護者の方で分かれて、交流をしました。子どもたちとは、それぞれどんなことが好きなのかを少し教えてもらうことができました。介助者がどのような存在なのかも分かってもらえたようなので、今後、一緒にやりたいことができたらと思います。
保護者の方とは、木村さんと鶴岡さんの話を聞いた感想を共有しました。皆さん、ご自分のお子さんのことを想定しながら話を聞いてくれていて、「自分の子どもだったら、どのような介助を受けられるのだろう」など、お子さんが介助を受けることについて具体的に考えている様子も見られたので、継続的に関わっていければいいなと思います。
次回のほにゃらキッズは、夏休み期間に子どもたちと介助者、当事者スタッフでつくば駅周辺に遊びにいきたいと思っています。実際に子どもたちが介助者と一緒に楽しいことをやりながら、「介助者と一緒なら、楽しいことをもっと増やせるかもしれない」と思ってくれる機会になったら嬉しいです。
川端舞
障害児の“ママ”に聞く!周囲に任せることで子どもは育つを開催しました。
2022/2/21
「障害がある子は、常に親が介助するべき…」と思っていませんか?重度知的障害がある高校生、仲村伊織くんは、通学時や休日は親御さんから離れ、ヘルパーさんや友達と一緒に、楽しく過ごしています。子どもの頃から親だけでなく、ヘルパーなど色んな人の支援を受ける生活とはどんなものなのか、伊織君のお母さんである仲村美和さんと、障害児教育に詳しい大阪経済法科大の一木玲子先生からお話を聞きながら、一緒に考えませんか。